増え続けるアレルギーに、住まいからアプローチする
皆さん、こんにちは!Full Houseの田中です。
花粉症やハウスダスト、カビやダニ、さらには化学物質によるアレルギー症状...。
現代の暮らしには、さまざまな「空気のリスク」が潜んでいます。
厚生労働省の調査(※1)を見ても、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などの有病率は年々増加傾向にあり、特に小さなお子さまを持つご家庭では、その影響を心配される声も多く聞かれます。
人は一日の大半を家の中で過ごすと言われています。
だからこそ、家の中の空気環境は、家族の健康的な生活を左右する非常に重要なポイントとなるのです。
・シックハウス症候群の今:進化する建材と、残された課題
アレルギーと聞いてまず思い浮かぶのは花粉やダニかもしれませんが、実は「シックハウス症候群」もまた、見過ごせないアレルギーの一種です。
家の内装に使われる建材や接着剤には、ホルムアルデヒドをはじめとする様々な化学物質が含まれていることがあります。
これらの化学物質が室内に放散されることで、目や喉の痛み、頭痛、めまい、吐き気、さらには皮膚炎といった多様な症状を引き起こすのがシックハウス症候群です。
「新築の家に引っ越してから体調が優れない」「リフォーム後に頭痛がするようになった」といった経験はありませんか?
もしかしたら、それはシックハウス症候群のサインかもしれません。
特に、小さなお子さまやアレルギー体質の方は、大人よりも化学物質に対して敏感に反応する傾向があるため、より注意が必要です。
しかし、近年では建材の品質が向上し、接着剤も改良されています。
特に、ホルムアルデヒドの発散量が最も少ないF☆☆☆☆(エフ・フォースター)という最高等級の建材が普及したことで、以前に比べ、ホルムアルデヒドによるシックハウス症候群のリスクは大きく低減しました。
さらに、2003年の建築基準法改正以降は24時間換気システムの設置が義務付けられ、室内の空気を常に新鮮に保つ対策も進められています。
なぜ、それでも「安心」と言い切れないのか?
このような対策が進んだ一方で、シックハウス症候群が完全に「問題なし」とは言い切れない側面も存在します。
一つは、F☆☆☆☆等級が対象とするのは主にホルムアルデヒドであり、トルエンやキシレンといった他の揮発性有機化合物(VOC)は規制の対象外となるケースがある点です。
これらが複合的に影響を及ぼし、体調不良の原因となる可能性も指摘されています。
また、建材だけでなく、新しく購入する家具やカーテン、さらには洗剤や芳香剤などの日用品からも化学物質が発散されることがあります。
これらが室内の化学物質濃度を高める要因となることもあるのです。
個人の感受性の差も大きく、微量の化学物質にも敏感に反応する化学物質過敏症を発症する方もいらっしゃいます。
健康な空気環境を目指す、素材選びの選択肢
こうした状況を踏まえ、私たちは健康な空気環境づくりのための素材選びにも着目しています。
様々な建材がある中で、自然素材はその特性から、アレルギー対策に有効な選択肢の一つと考えられます。
化学物質の発散が極めて少ない。
また、人工的な建材に比べて、不要な化学物質を含んでいないため、シックハウス症候群の原因となる物質の心配が少ないです。
そして優れた調湿効果や消臭効果、化学物質の吸着分解作用があります。
例えば、無垢材や珪藻土(けいそうど)、漆喰(しっくい)といった素材は、以下のような特徴を持っています。
無垢材:木材本来の調湿作用で、室内の湿度を快適に保ち、カビやダニの繁殖を抑えます。
珪藻土:無数の小さな孔(あな)を持つ多孔質な素材で、湿気を吸ったり吐いたりして室内の湿度を適切にコントロールし、カビやダニの発生を抑制します。
空気中の臭いや有害物質を吸着・分解する働きも期待できます。
漆喰:強アルカリ性の性質を持つため、カビや菌の繁殖を抑える効果があります。
珪藻土と同様に調湿作用に優れ、化学物質を吸着する力も持ち合わせています。
これらの自然素材は、清々しい空気環境づくりに貢献する可能性を秘めています。
もちろん、コストやお客様のライフスタイルに応じて、最適な建材や工法をご提案させていただきます。
お客様のご希望やご予算に応じて、健康に配慮した素材選びの選択肢もご提案できる体制を整えていますので、ご相談ください。
次回は、最新の換気システムと設計による、アレルギー対策について詳しくご紹介します。
Full House 田中 初男